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妊活コラム

学会TOPIX

皆さまこんにちは。
SOLEIL ARTラボの胚培養士です。
2026年6月6日~7日に開催された卵子学会のオンデマンド配信が6月17日~7月19日の期間で行われました。
シンポジウムなど一部のみの配信ではありましたが、興味深い内容を視聴することができましたので、ご報告いたします。

亜鉛と卵子をめぐる最新トピックについてのシンポジウムでは、「卵子における亜鉛イオンの恒常性と胚発生への影響:亜鉛は正の因子か,負の因子か」と題する講演を視聴しました。

亜鉛は体に不可欠な必須ミネラルで、免疫機能や成長、味覚維持に重要ですが、調査によると日本では男女ともに50%近くの人で亜鉛が不足しているそうです。
亜鉛不足については男性不妊との関連が報告されていますが、女性については不妊との関わりはあまり注目されていません。そこで卵内の亜鉛濃度を測定すると、受精時にCa濃度が高くなると同時に亜鉛の濃度は低下していることが分かりました。
この一過性の亜鉛濃度低下をZnスパークと呼び、受精後も低下した状態が続きますが、CM(桑実期胚)~Blasto(胚盤胞)まで発育すると再び上昇します。マウス実験ではZnスパークがなくても受精率、2細胞期までの発育に差は認められませんでしたが、4細胞期以降の発生が低下しました。
また、子宮内膜の間質細胞でも亜鉛は重要な役割を担い、胚が内膜に浸潤するために重要です。

亜鉛については、培養に使用するガラス器具などからの流出が胚発生に影響を与えるとの報告もあり、培養液については低いに越したことはないと考えていましたが、細胞内の亜鉛は胚発生に必要不可欠なものであることを知りました。
血清中の亜鉛濃度の低下が、ヒトの卵子内の亜鉛濃度とどの程度相関するのか、サプリメントなどの服用が効果をもたらすのかなど、興味が持たれるところです。
今後関連のある発表にも着目していきたいと思います。